2010/08/06

Essence of Fashion



ある日、寝ている時に誰かに質問されました。
「あなたは、自分の仕事の本質を知っていますか?」と。
やっていること? 洋服を作ってますけど。。。
ファッションのことかな???
私は物事をニュアンスで捉えていて、言葉で表現する事が苦手なのですぐさまgoogleで検索してみる。
ファッションについてたくさん情報はあるけれど、ピッタリするものがないな~と思っていたところ、文化服装学院 名誉学院長 小池千枝さんのレポートを発見しました。
以下は抜粋したものです。

人間を研究するってことは骨や筋肉や皮膚の動きを知り、営みを知り、心や感性を知ることよ。もう1つ大切なのは時間的な経過の中で物事を捉えること。
ファッションの本質は人間研究。だから人間の営みに関わるすべてのことと共通項があるの。建築も都市も、広く捉えれば社会の問題すべてが結局は人間という「心を持った立体」をどう捉えるか、どう切り込むかということに繋がっていきます。本質は変わらない。
人 は常に動く生き物で、その動きは美しい。
美しさに自信を持ち、動きについてくる服をつくるためには、解剖学的な知識と立体裁断が必要である。  デザインとは、人の身体の上に空間を創造していくことだ。肉体の上にどれだけの空間をつくるかで、つくりだされる空間が運動量やラインになっていく。ま た、人が変身できるという要素も必要だ。
服づくりとは、「心があり、成長し、老化していく人間に服を着せるとはどういうことか」を考えることである。
このレポートを読んだ時は、かなりテンションが上がり思わず YES!! といった気分だったけど、冷静になって読み直すと全てにおいて共通していることだった。。。 当たり前かー 繋がっているんだから。
でも、ちょっぴり自分の仕事に誇りを持てた瞬間でした。
服作りはチームジョブだと思うので、デザイ ナー、パタンナー、縫製担当者、それを販売してくれる人など、たくさんの人の気持ちが服に宿る。だから、技術の向上を目指すのはもちろんだけれど、「不機嫌は伝染する」というのを知ってから気持ちをニュートラルに保つ事に気をつけていま す。(たまに深い溝に落ちて、もがくこともあるけれど。。。)
私達の手がけた洋服が、誰かを笑顔にしたり、クローゼットの中の「お気に入り」であったら嬉しく思う。