山本基(やまもと もとい)さんは、塩を素材に用いたインスタレーションという手法で、空間全体を作品化する美術作家です。
制作の原点は、1994年冬に妹が他界したこと。
確かに存在していたはずの大切な「何か」が、目の前から消えてしまった驚きと悲しみ。 そして、再び会いたくても、決して叶わない現実。 私はこれらの体験から生じた葛藤を、まるで日記のようにかたちにしてきました。
作品に共通するのは、「届きそうで、届かない」、「見えそうで、見えない」。そんな感覚でしょうか。
妹の死後、私がその現実を受け入れるために行ったこと、それは、社会の中で死がどのよう に扱われているかを、作品を通して体感することでした。
そして、葬儀に興味を持ったときに私が選んだ素材。それが塩でした。
今ここで作品の一部となっている塩も、かつては、私たちの命を支えていたか もしれない。そんな思いを抱くようになったから頃から、塩には「生命の記憶」が内包されているのではないか、と感じるようになったのです。
塩で迷路を描くこと。
これは私自身の記憶をたどる旅のようなものです。
多くの大切な記憶は、時と共に変化し、そして薄れていきます。しかし私は、写真や文章では決して残すことができない記憶の核心を、もう一度感じたいのです。
HPより抜粋
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山本さんの作品は、絵のように運ぶことができない。
常に『今』と向き合い 生み出される作品なんだ。と思いました。
(一日14時間も作品に没頭することもあるそうで、
本当に気の遠くなるような作業です。。。)
静寂、神聖、浄化、儚さ、再生。。。 そんなイメージが浮かびます。
現在 瀬戸内美術館で
「山本基展 たゆたう庭-塩のインスタレーション-」開催中。 4/7まで。
■ 海に還るプロジェクト:4/7 16:00~
Return to the Sea: Saltworks by Motoi Yamamoto from John Reynolds & Lee Donaldson on Vimeo.
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