2012/02/12

天国にぶっ放せ!


 2012年3月10日、宮城県の山の上。
天国に近い場所(泉ヶ岳)から、

花火が打上がります。
目標は2万発。   
目的は、天国にいる約2万人の方々へ
「元気だよ」と伝えること。

日時:2012年3月10日(土)17:30~
  
打上げ開始は18:00を予定
※悪天候等により打上げ不可の場合は3月11日に順延
主催:「天国にぶっ放せ!」鎮魂花火打上げ実行委員会
後援:宮城県、仙台市、山元町、エフエム仙台

会場:泉ヶ岳スキー場
来場:被災地からの招待者および関係者

招待については宮城県被災地15市町より
  自治体の調整のうえ、公募します。
仙台駅前の「仙台アオバビジョン」では生中継
インターネットではUstreamによる映像配信を予定しています。









1月17日 13:30 宮城県庁「天国にぶっ放せ!」鎮魂花火打上げ
スコップ団記者会見

私たちは、来る3月10日に
泉ヶ岳から鎮魂の花火を打上げることにしました。
東日本大震災で犠牲になった
天国の友だちや家族のために上げます。

大会の規模が大きいため、お金がかかってしまいます。
そのお金があれば、仮設住宅やそのほかのものに使うべきだという
ご意見もいただきます。
私自身も、以前はそう思っていました。
お祭りや花火などにお金を使うのは無駄だと思っていたことがありました。

しかし私たちは、
お墓参りや、弔いの際に生前その方が好きだったものやお花を
墓前に供えたりします。
これは論理的に考えれば無駄なことです。
お供えのお饅頭やお花は生ゴミになってしまいます。

それでも私たちは、論理的ではないことをして、自分の心を保ったりするものです。
去年の夏、多賀城で仕事をしていたら、突然、花火が上がりました。
その当時の私は、音楽を聴くことにすら葛藤があったころでした。
「花火か」と、複雑な思いで見上げると、ひと組の親子が目の前に現れ、
花火を眺めていました。


スコップ団代表の平了(たいら りょう)さんです。 

その親子は、「すごい」「きれい」と、
歓声をあげていました。
そして、ただ静かに泣いていました。
私もそれを見て、
知らず知らず泣いていました。
そのことで、花火には鎮魂の意味がある
ということをなんとなく知りました。



それからしばらくたったある日、避難所で、ある初老の女性と
お話をする機会がありました。
その女性はこう言っていました。

「それまでけんかなんかしたことなかった主人と、3月11日の朝に
 くだらないことでけんかをしてしまい、いってらっしゃい、も言わなかった。
 主人はそのまま車で出かけたきり、津波で死んでしまった。
 私たちは、けんか別れをしたままなんです」
彼女のいまの願いは
「愛しています」ということを天国に伝えること。
そして、安心してもらうために
「私は元気です」と伝えることでした。

「あなたは何でもしてくれる、ありがとう。でも、いつか私の想いを、
 天国に届けてくれないかしら」彼女はそう言って、僕に要望を伝えました。
これがはじまりでした。

3月10日、泉ケ岳で
花火を上げることにしています。
もし天国というものが、私たちのイメージどおりに雲の上にあるのであれば、
できる限り天国に近い場所から打上げたかったからです。

天国への贈りものは食べもののように「消えもの」がいちばん、
ということで、やはり花火を選びました。
3月10日、もし曇ったとしても、雲の上まで上げれば
天国から見えるはずです。
風が強ければ、打上げ時間をずらせばいいのです。
それは、僕たちが見るためものではないからです。

ふつうの花火大会のように地上から僕たちが見るものではないということ、
そこはご理解をいただければと思います。

人生とはほんとに花火のようなもので、どんと咲いて散ってしまう。
しかし、多賀城の親子の大切な人も、避難所でお会いした女性の旦那さんも、
僕たちの大切な仲間も、咲き切れないまま亡くなってしまいました。
そういう方々がたくさんいらっしゃいます。
だったらせめて花火ぐらいはどんと咲かして、
私たちが元気でやっているということを
天国に連絡したいと思っています。

天国に思いを伝えて安心していただくということは、
最初に言ったとおり、論理的でもないですし、
科学的なことでもありません。
それでも私たちは鎮魂花火の打上げを企画いたしました。
復興は、その先にあるものと考えています。
復興の前に、いい意味での、いわばあきらめに似た、
ふんぎりをつけることが必要だと考えます。

私たちのいちばんの望みはほんとうは、復興でもなんでもない。
3月10日、あの日に戻ること、その一点だと僕は思っています。
でもそれはかないません。
どうせだったら前よりもすてきな町にしようという、
そういう気持ち、そういう強さが復興につながっていくのではないかと思います。

そういったことを私たちスコップ団は、1年近くのがれき撤去を通じて感じ取りました。
我々が家の泥をいくらかきだしても、何かを取り戻せることはありませんでした。
我々が何をしても世界はびくともしませんでした。
でも、ひとりひとりの世界は確かに変わって笑顔が生まれる、ということがありました。


3月10日を選んだ意図をよく問われます。
私はこう思います。

3月11日を忘れないようにしよう、ということは、よく言われます。
しかしその日は、忘れないようにする日ではなく、忘れられない日です。
忘れたいのに忘れられない日が3月11日です。
いちばん忘れちゃいけないのは、なんてことない、
ほんとうになんでもない日々です。
幸せだったはずの、前の日なんじゃないかと思います。
だから3月10日に花火を上げたいのです。


花火の1発1発は、献花の値段と変わらないのですが、
「2万発」の規模にするため大きなお金がかかってしまいます。

東日本大震災は、2万人の犠牲者が出た1件の震災ではありません。
悲しい1件1件の事件が2万件も起きたのです。
僕たちはそういう認識をもってこれまで活動してきました。
ですから、この数字は絶対に譲れない。絶対に2万発上げたい、と思っています。

天国に思いを伝える手段が僕にはほかに思いつかなくて、
花火を打上げよう、ということになりました。
ご賛同いただければ幸いです。
よろしくお願いします。



花火打上げ、保安警備にかかる費用について
ご支援を募っています。
振込先は以下の3つです。

三菱東京UFJ銀行
【支店名】仙台支店
【店番】314
【預金種目】普通
【口座番号】0289305
【口座名】スコツプダン
ゆうちょ銀行
記号 18170
番号 8409961

※ゆうちょ以外の金融機関からのお振込の場合
【店名】八一八(ハチイチハチ)
【店番】818
【預金種目】普通預金
【口座番号】0840996
【口座名】スコツプダン
七十七銀行(シチジユウシチギンコウ)
【支店名】栗生支店(クリユウシテン)
【預金種目】普通
【口座番号】5044103
【口座名】スコツプダン
【SWIFT番号】BOSSJPJT(※海外からの送金時のみ必要です)


スコップ団について 詳しくはこちら

///////


最後まで読んで頂きありがとうございます。
記事を読んで、
「 私にもできることを見つけた 。この企画に賛同したい!!」と、思いました。
2万発の花火が、打ち上げられることを願ってます。
3/10の17:30〜 時間があれば、Ustreamで花火を見ながら、
「こっちは元気だよ」って伝えたい。







0 件のコメント:

コメントを投稿