2012/04/15

歌舞伎の色 No.1

「歌舞伎の衣装にみる色の役割と粋」
についてお話を聞きました。

紫にまつわるお話し

*紫衣事件

江戸時代、天皇から頂く「紫の袈裟」は最高位の僧の証でそれは許可がなければ着衣出来なかったのを、
徳川将軍が許可を取り消した事件だそうです。

*階級と色

推古女帝時代に「聖徳太子」が定めた
「冠位十二階の制度」の位色は上位から
紫、青、赤、黄、白、黒の六色が配されそれぞれの色の濃淡で二段階に分け計十二階でした。

同形色の色では濃い方が高位になり、当然濃(き)紫が最上位になります。冠位とは冠と位のことですが階級の色は冠だけでなく衣服にも用いられました。
しかし、沓(くつ)だけは身分・階級に関係なく黒く塗った沓でした。
現在でもこのしきたりが残っていて、僧侶が法要のときなど僧の位に応じた色の法衣
を付けるそうです。

*紫は紫草の紫根で染める 

紫染は江戸時代に「江戸紫」として大流行しました。
・井の頭池を水源として造った神田上水の水をふんだんに使うことができたこと。
・紫染に必要な媒染で使う椿灰を伊豆大島から供給されたこと。
これらが要因になり、江戸の町で盛んに染められたと考えられます。
 
紫草
又、玉川上水の吉祥寺・三鷹間には「むらさき橋」という橋が架かっていて、その名前は、昔から武蔵野の地に多く咲いていた「紫草」と言う植物からつけられました。

特に井の頭の池の水で染めた紫染は何度洗っても色落ちしないと重宝されたといいます。
これに感謝して江戸紫の根問屋や染物屋らが寄進した一対の「紫灯籠」が井の頭池の弁財天のそばに今もたたずんでいるそうです。

つづきます。。。


0 件のコメント:

コメントを投稿