2012/11/22

習性


 オスのミノムシは成長すると、
ミノを出てミノガになる。
一方、メスのミノムシは一生ミノムシのままだという。 ミノの中に留まり、ひたすらオスを待つ。

ミノムシの生態と、人間の女の子が
オシャレすることのイメージを交差させることで、

「恋愛のおいて女の子はいつも誘われるのを待つばかりなのか?」

「装いは何のため?」と問いかける作品です。














  ミノムシに女の子の服の端切れを与え、ミノとしてまとってもらう。



洋服を一部を切り取り、細く切ってミノムシに与えるとミノムシは自分でミノをつくる。

様々なテイストのコーディネートの女の子の服を元に、様々なコーディネートのミノムシが生まれていく。


ミノムシに細く切った色紙などを与えてミノを作らせる行為は、日本では古くから子供がおこなう遊びである。





衣装協力は VIVIENNE TAM
です。














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 会場にはモニターがあり、ミノムシが端切れを まとい作品が出来上がっていく
過程が見られます。
その仕草が、かわいらしく見えるのが不思議。
ちょっとした民族衣装にも見えた。

AKI INOMATAさんの作品をはじめて知ったのは、これです。




やどかりに「やど」を渡し、やどかりが気に入れば背負ってもらう作品。
 面白い! この発想はどこから?と思ったらコメントがありました。


『この作品は、ある展示の際に聞いた話をきっかけに着想した。
旧在日フランス大使館の建物が2009年に解体され、隣接する土地に
新しいフランス大使館が建てられた。

”旧”在日フランス大使館の土地は、2009年10月までフランスだったが、
以降50年間日本になり、その後またフランスになるというのだ。
この話に衝撃を受け、やどかりのやどを引っ越しする習性へと飛躍した。

 同じ土地であるにもかかわらず、平和に国が入れ変わっている事実。
そんな大変なことが、私たちが気がつかないところで、行われている。
一方で、似たようなことは、私たち自身と無縁ではない。

例えば、国籍の取得。移住。移民。 中身は同じでありながら、背負う
「やど」によって、すっかり見た目が変わってしまう。
私が渡した、いろいろな国の建物を模した「やど」を背負うやどかりは、
国境を軽々と越えていくようにも見える。』


次の作品も楽しみです。




 

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