これは「羊飼いドレス」と呼ばれるもので、マリー・アントワネットは宮殿の堅苦しさ
から脱け出して小離宮プチ・トリアノンや
アモーなどで、このようなくつろぎ着と麦わら帽子を身に着けて過ごすことがありました。
アモーは、子供を生み、自然志向に傾く王妃が作らせた農村風の別荘のような空間で、
散策したり、鶏や羊を飼ったり、花や植物のことを子供たちに教えたりしました。
ここで社交界では得られなかった安らぎを感じていたのでしょう。
なお、このドレスは上着とスカート、前掛けが組み合わされる、いわゆる「ポーランド風」のスタイルで着られるものです。
「フランス風」舞踏会ドレス(復元)
この舞踏会ドレスは、ロベール・アンリコ監督のテレビ映画「フランス革命」(1989年)でマリー・アントワネットを演じた女優ジェーン・シーモアが実際に着ていたものです。
18世紀当時、舞踏会には2種類ありました。ひとつは宮廷の晴れがましい行事の際に催されるフォーマルな舞踏会で、ドレスも快適さより壮麗さが優先されました。
一方、それほど堅苦しくないもう一つの舞踏会、仮面舞踏会では顔に仮面をつけて、ある程度身分をかくす事が許されていました。
このドレスのように、比較的身軽に動けるものでした。マリー・アントワネットが舞踏会に夢中であったことは、当時ヨーロッパ中で噂になるほどで、宮廷でも多い時には週に一度、舞踏会が開かれていました。
つづきます。。。
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